この耳で生きていく

突発性難聴の日々を自分らしく暮らす

入院生活5日目・6日目

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入院5・6日目の記録です。

 

入院5日目

この病院、朝食はいつもご飯なんだけど、水曜日と木曜日の朝食はパンがでる。
そんなこと知らなかったから、今日の朝、パンが運ばれてきて、静かにバンザイするほど嬉しかった!
いくら給食が楽しみだからってパンでここまで・・・とも思うけど、幸せ者だ。

それにしても、身体ってすごい。
1日のほとんどをベッド上で過ごして、あんまり動かないのに、ちゃんと時間になるとお腹がすく。
きっと物凄いダメージを受けたから、頑張って回復しようとしてるのかも。

なんて健気なのだろう。
今まで労わずこき使ってきてスミマセン、という気持ち。 

6日ぶりのシャンプー

今日は久しぶりに聴力検査を受ける。診察は無し。

聴力検査は、本当に嫌だ。右耳から音が出ていても、すべて左耳からしか聞こえない。
先生の質問に答えられない生徒のような気分。

看護師さんはローテーション制のようで、担当は毎日変わる。
今日の担当の看護師さんが、「髪の毛洗いましょうか?」と言ってくれた。

そう、発症した日を含めて6日間、お風呂に入っていないのだ!
めまいもあるため先生の許可がないと入れず、ホットタオルで体を拭く毎日。

髪の毛だけは洗えていなった。
ベタッとしたわたしの髪の毛を見かねて、言ってくれたのかもしれない。 

どうやって髪の毛洗うのだろう?
と思っていると、「補助さん」と呼ばれる、看護師さんの補助業務の方が、廊下の一角にあるカーテンで囲われた洗髪台で洗ってくれた。

ただし、美容院のように仰向けではなく、洗髪台にうつむく。
なので顔にもお湯がかかって、ビッチャビチャ~。
にもかかわらず、最高に気持ち良かった!

ドライヤーの音が耳元で響くも、全然気にならず。
聴力検査でささくれていた気持ちが、簡単に復活した。
女子ですもの!

 

小さな隣人

ところで、同じ病室の空いていたベッドに、昨日から子供が入院している。
カーテン越しに聞こえてくるのは、小学1・2年生の男の子といった感じの話し方。 

でも、たまたまトイレへ行くときに姿を見たのだが、話し方からは想像できない3・4歳くらいの背格好の男の子だった。
あれ?こんな小さかったんだと、驚いた。
病弱そうな顔色をしていた。

聞こえてくることをつなぎ合わせると、元々身体が弱くて、入院も初めてではない感じ。

しっかりしているし、やんちゃ盛りだろうに、騒ぐこともない彼。
病院が慣れっこなのかもしれない。
なんか良い子すぎて、お節介ながらちょっと心配になってしまった。

入院6日目

色んな「希望」

夕方ごろに、診察に呼ばれる。

昨日の聴力検査の結果を聞く。

  • 一番初めの聴力検査よりは少し良くなっている
  • 薬の効果が出ている
  • このまま点滴を続けていきましょう

とのことだった。
今日は初めて会う、ちょっと体育会系のノリの先生だった。
診察を締めくくるように、「希望をもっていきましょう!」と言われる。

思いがけず「希望」という言葉が飛び出して、わたしって、そんなに悪いの??とキョトンとしてしまった。


ところで、おっちょこちょいナース・Mさんが、わたしの症状でお粥なのが不思議だったようで、
「普通のごはんに変えてもいいと思うので、言ってくださいね」
と言ってくれる。

衝撃の発言だ!
っていうか何でお粥だったんだろう??

ところで、Mさんはきっとわたしの一回りくらい年下だと思うけど、バイト先の後輩って感じの雰囲気で、喋りやすい。

それにしても、すぐ近くで若い看護師さんたちがきびきびと働いている姿は、なかなかいいものだと思う。

こっちが病んでるからか、元気な人って、それだけでパワーに溢れている。
苦手なタイプの看護師さんもいるけれど、観察する分には楽しいし。

夜、夫と娘が来てくれる。
ついてきてもらって、入院して初めて1階のコンビニで買い物。
まだまだ一人で買い物へ行くのは不安なのだ。

コンビニは冷蔵庫だらけだからかモーター音がすごくて、耳の圧迫感が半端なく酷い。

それにふらつきが酷くて、足元もおぼつかない。
老人か!というほどにヨロヨロとしか歩けないし、頭は膜がかかったような感じ。
でも、久々の買い物に嬉しすぎて、舞い上がってしまった。

ショッピング・イズ・エンターテインメントだ!

 

先生の言う「希望」は、病気が良くなった先にある。今わたしが感じている、給食の時間・看護婦さんとの会話・コンビニでの買い物という「希望」は、今ここにあるものだ。

全く違うものなのだろうなぁ。