この耳で生きていく

突発性難聴の日々を自分らしく暮らす

『ナナメの夕暮れ』(若林正恭著)を読みました。繊細さと文才にあふれています!

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遅ればせながら・・・
明けましておめでとうございます。カナエです。

 

昨年の終わりは、久々の仕事の日々。

年末年始は、家族が見ている正月恒例のバラエティを騒がしいBGMにしつつ、読みたかった本を思う存分読んで過ごしました。

 

その中で、すごく心に刺さった『ナナメの夕暮れ』。
お笑いコンビ・オードリーの若林正恭さんによるエッセイです。

 

『ナナメの夕暮れ』はこんなエッセイ

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オードリーの若林正恭さんといえば、最近ではバラエティの司会などテレビでよく見かける”売れっ子芸人”です。

ただ、芸人の中でもひときわ繊細そうというか、闇があるような、そんな感じがしていました。

そしてその予感がそのまま文章になったのが、このエッセイ。 

学生時代から芸人になるまで、そして売れっ子になってからの心の葛藤。
意外なプライベートの趣味。
彼女ができないいきさつ、などなど。


痛々しすぎるほどに自分と向き合った、繊細すぎるエピソードの数々です。
でも、だからこそたどり着いた境地で書かれた文章は、いちいち心を揺さぶります。

 

共感すること多し!

過ごしてきた時間も、境遇も、職業も、性別さえ違うのですが、このエッセイを読んでいて時々、「これはわたしのことか??」と思うくらい共感する瞬間がありました。 

わたしも”ネガティブで自意識過剰でビックリするくらいメンタルが弱い”という時期を通り過ぎてきたからかも。

そして歳が近いからか、

自意識過剰な人間は歳を重ねると楽になる

という言葉に、大きく大きく共感してしまいました。 

まえがきにもあったけれど、毎日が楽しくて充実している人には必要がない本、かもしれません。

一冊の中で進化する文才

このエッセイは、雑誌『ダ・ヴィンチ』に連載された約3年分の文章プラス書下ろしで構成されています。

最後まで読んで驚いたのが、(上から目線ですが)どんどん文章が上手くなっている!ということ。

ページを読み進めていくほどに、(上から目線が過ぎますが)言いたい事が鋭く研ぎ澄まされていくという感じです。

繊細ゆえの鋭い感性が文才と合わさって、ぐいぐい引き込まれて泣いたりしてしまったわけです。すごいなぁ~。

 

大人になっても”自分探し”が終わらない人に『ナナメの夕暮れ』、おすすめです!