この耳で生きていく

突発性難聴の日々を自分らしく暮らす

退院後の生活・25日目「虹!」

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退院後の生活・25日目

 

退院してからは、できるだけ毎日ウォーキングをしている。
入院中に落ちた筋力を取り戻すためのリハビリを兼ねて。車も自転車も乗れないし、なんせ時間はたっぷりとある。

 

退院直後は、家の近所をフラフラしながら、ゆっくりと歩いていた。

入院する前はまだ暑い日もあったのに、退院したら、秋がすっぽりと抜けて冬になっていた。しかも歩くこともやっとの身体で戻ってきたという、浦島太郎状態。

はじめはそんな自分に笑えたけれど、日が経つと、ふらつきながらもだんだんスムーズに歩けるようになってきた。人間の身体ってすごいなぁと、感心する日々だ。

突発性難聴には「歩くのがいい」ということがネットに書いてあったけれど、本当だと思う。歩くことで血行が良くなっているのが、よく分かる。

 
土日は、家族も誘って一緒に歩く。
寒いから嫌そうな顔の娘に、歩いていて良かった!と思わせることがあった。

天気予報が言うところの冬の気圧配置で、時雨れることもあった今日、雨上がりを歩いていると、目の前に虹が出たのだ!

しかも、今まで見たことがないような、くっきりと7色見えるような、立派な虹!

周りの家の人も、家族で道路に飛び出してきて「虹、虹!」と興奮していた。知らない人も同じ虹を見るという、ちょっと幸せな休日の午後だった。

いくつになっても、虹を見ると嬉しい。
歩いているとそんなこともある。

病気になって気が付けたこともあったから良かった、と思うこともある。
でも、不自由なこともあるし、何よりもたくさん迷惑をかけた。キレイごとだけではない。

今はただ、今までどんなに急かされるように暮らしていたか、それで見落としていたことがどれだけあったかが、よく分かる。