この耳で生きていく

突発性難聴の日々を自分らしく暮らす

エッセイ『風と共にゆとりぬ』(朝井リョウ)で読む、人気作家の闘病の日々

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こんにちは。カナエです。

 

突発性難聴になり療養中の身なので、家の中で過ごすことが多い毎日です。
主婦なので、洗濯掃除、料理、その他もろもろの家事をしていますが、それにしても時間はたっぷりとあります。

というわけで、本を読む時間が増えたという、何とも贅沢な状況。1日中ずっと本を読んでいたい~!と、歯をギリギリさせながら、忙しい日々を過ごしていたわたしに教えてあげたいです。

・・・とはいえ、ネットサーフィンで半日が過ぎ、そんな時間あったら本読めるだろ!?と自称・本好きを疑う日もありますが。 

 

そんな、いつでも好きなだけ読んでもいい、読書という大海原に解き放たれまず読んだのが、作家・朝井リョウさんのエッセイ『風と共にゆとりぬ』です。

 朝井リョウさんは、『桐島、部活やめるってよ』を読んでからの大ファンです。

(ちなみに『桐島、部活やめるってよ』は第22回小説すばる新人賞を受賞したデビュー作で、神木隆之介さん主演で映画化もされました。)

 

朝井リョウさんとは、出身地が同じ。しかもお隣の町でした。

『桐島~』の登場人物が話す方言が、わたしがかつて話していた、そして今は恥ずかしくて封印した方言だったから、すっかり親近感がわきました。
もしかしたらどこかですれ違ってたかも??というミーハーな気持ちが芽生えつつ、もちろん作品も面白くて、その後の作品も読むようになりました。

 

平成生まれの朝井リョウさん、その作品は「こ、これは新しい世代の人の文学だ!」と、こちらが年を感じてしまうような、若さに溢れています。

小説はもちろん、エッセイでも若すぎるエピソード満載です。
そして、クラスの人気者キャラ、友達も多くて、ポジティブに何でも挑戦!というキラキラした存在感をエッセイではいかんなく発揮しています。
おばちゃん、置いていかれっぱなし・・・。

小説家って、暗くて、世間では上手くやっていけないような、風変わりな人がたどり着く職業じゃなかったの??これが、ゆとり世代というやつなのか?!と、カルチャーショック受けまくりでした。

 

そんなゆとり世代朝井リョウさん。

この『風と共にゆとりぬ』では、ある病気の闘病の日々を書き下しています。

病気といっても命に係わるものではないのですが、手術をして、2週間の入院生活を余儀なくされます。でもシリアスな感情はほとんどなし、真面目10%、笑い90%くらいの割合で闘病生活が描かれています。

そしてさすが作家、面白さだけではなく、描写が事細やかで、同じ病気になった人にはすごく参考になるんじゃないかと思います。もちろん面白エピソードとして健康体の人にも、とっても楽しめます。

 

入院中の生活も書かれているので、自分の姿と重なる重なる!もしわたしが病気をする前に読んでいたら、笑うだけ笑って終わっただろうなと思います。このタイミングで読んだのも何かの巡りあわせかと、不思議な気持ちで読みました。

 

病気は違えど、歳もひと回り近く下だけど、またもや親近感を感じた作品です。

 

風と共にゆとりぬ

風と共にゆとりぬ