退院後の生活・1日目「久しぶりの我が家」
退院後の生活・1日目
退院した翌日、外に行かなければいけない用事が、突然にやってきた。
歩くのもふらつくし、しばらくは外出できないなと思っていたのだけど、娘が小学校に忘れ物をしてしまい、どうしても取りにいかなければいけなくなったのだ。
学校までは徒歩15分ほど。
入院中は手すりを頼りにしていたから、手すりのない外をちゃんと歩けるか不安だった。でも、娘1人では行かせられないし、仕方なく一緒に歩いて行くことにした。
入院中あまり歩かなかったせいか、かなり筋力が落ちているみたい。
それとふらつきもあって、驚くほど身体が思うように動かず、笑ってしまった。ものすごーくゆっくりしか歩けない。しかも真っすぐに進めないのだ。
外に出ると右耳への圧迫感はすごいけれど、耳鳴りは変わらない。
車が通る音とか、もっと響くかと思ったけど、それほど気にならなかった。建物の中とかのこもった場所より、外の方が閉塞感はないかも。
でも手すりがないから怖い。わたしの不安な気持ちを察してか、娘も緊張気味で手をつないでくれた。
でも、外の空気はやっぱり気持ちが良い!
病院での生活に慣れていたせいか、朝5時ごろに目が覚めた。入院中はだいたい、外が明るくなる頃に目が覚めていたから、まだ病院時間が残っている。
でも病院とは違って、すぐにお湯を沸かしてコーヒーを淹れられるし、新聞を読める。そんな当たり前のようなことが、とても嬉しい。
それと、退院する少し前から、テレビがNHKしか映らなかったから、朝ドラを見ていた。朝ドラなんて見たことがなかったけれど、習慣になり、今日も見た。
ひとつでも、退院後の生活のなかでやることがあってよかった。
我が家は嬉しいけれど、自由過ぎて、何をしていいのやら。